ゴープコア

定義

ゴープコアは本格的なアウトドアギアを都市の文脈で再解釈する。名称はトレイルミックスの略称であるGORPに由来する。Arc'teryxやSalomonといったブランドが中心を担う。2010年代半ばのファッションウィークで注目を集めた。ナナミカやゴールドウインは1990年代からこの領域を開拓していた。山の装備を街で着る。それは不測の事態への備えと機能への信頼を表明する行為である。

視覚的文法

  • シルエット

    • テクニカルシェルとハードシェルジャケット
    • フリースレイヤー(フルジップ、ハーフジップ、ベスト)
    • カーゴパンツとハイキングトラウザーズ
    • パファージャケット(パッカブル、テクニカル)
    • アウターとして着用するベースレイヤー
  • 素材

    • Gore-Texと防水透湿メンブレン
    • リップストップナイロン
    • Polartecフリース
    • テクニカルソフトシェル素材
    • コーデュラナイロン
    • 速乾性シンセティック混紡
  • 構造

    • シームテープ加工
    • 立体裁断の膝部分
    • 調整可能なフードとカフス
    • ベンチレーション用ピットジップ
    • 止水ジッパー付きの多機能ポケット
    • リフレクター素材のディテール
  • カラー

    • アースカラー(オリーブ、タン、ブラウン)
    • テクニカルな発色(セーフティオレンジ、エレクトリックブルー)
    • クラシックなアウトドアカラー(フォレストグリーン、ネイビー)
    • 都市適応としてのブラック
  • フットウェア

    • トレイルランニングシューズ(Salomon、Hoka)
    • カジュアルに履きこなすハイキングブーツ
    • テクニカルサンダル(Teva、Chaco)
    • アプローチシューズ

ボディ・ロジック

都市では不要なほどの身体能力を服で補う。Gore-TexやPolartecは気候の変化への即応性を示す。ジェンダーの表現は必然的にニュートラルになる。装備は身体を選ばない。立体裁断やポケットの配置が物理的な機動力を約束する。

模範例

  1. 01

    Arc'teryxの都市浸透2015年〜現在

    高所登山向けのブランドが2015年頃からストリートのステータスとなった。ロンドンや東京の路上でハードシェルが日常着として定着した。

  2. 02

    Salomonのトレイルランナー

    11 by BBSやMM6とのコラボレーションが転換点となった。岩場のためのソールがアスファルトの上でモードな表情を見せる。

  3. 03

    Patagoniaのシンチラフリース

    高所での防寒着が都市のレイヤリングピースに進化した。耐久性の高いシンセティックパイルは街での汎用性も高い。

  4. 04

    The North Faceのヌプシ

    ヒマラヤのベースキャンプ用に設計されたジャケット。1990年代にヒップホップ文化が採用し、テクニカルギアがストリートへ流出する先駆けとなった。

年表

  • 1970年代〜90年代

    PatagoniaやArc'teryxが登山家のために本格的なギアを開発する。主な消費者はアルピニストやアウトドア愛好家だった。

  • 1990年代〜2000年代

    ナナミカやゴールドウインといった日本のラベルが、アウトドアの素材をファッションのデザインに組み込み始める。

  • 2015年〜2017年

    パリやニューヨークのファッションウィークでシェルジャケットが頻出する。ゴープコアという言葉が定義された。

  • 2018年〜2020年

    Salomonがフットウェアの主流となる。トレイルランニングシューズをスラックスやコートに合わせるスタイルが定着した。

  • 2020年〜現在

    パンデミックによりアウトドアへの関心が爆発的に高まる。一部のトレンドから都市生活者の標準的なワードローブへと昇華した。

参照

  1. 01ゴープコアのトレンド分析とアウトドアギア文化の記録
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