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Bauhaus
定義
バウハウスは、1919年にヴァルター・グロピウスがワイマールで創設した造形学校の設計理念に基づく。デッサウ校の織物工房では、伝統的な繊維と工業素材を混紡した。アニ・アルバースは、布地を工学的な課題として捉える枠組みを確立した。ファッションにおけるバウハウスは、これらの原則を衣服に応用する。ワシリー・カンディンスキーの色彩理論による三原色。デ・ステイルの格子状の構図に影響を受けた幾何学的なカッティング。ジッパーやスナップといった工業用パーツは、機能を隠さず露出させる。核心は「形態は機能に従う」という原則だ。矩形のシルエット、抑えられたウエストライン、モジュール式の構造。装飾は排除され、素材の誠実さと幾何学的な明快さが優先される。
視覚的文法
シルエット
- 簡潔な幾何学形状(矩形、円、三角形)
- ウエストを強調しないサックドレス
- ボックスシルエットのジャケット
- ストレートパンツ
- Aラインスカート
- 垂直と水平のラインの強調
- 重ね着を前提としたモジュール式の構造
素材
- 贅沢さよりも機能を優先した工業用テキスタイル
- コットンキャンバス
- ウールフェルト
- テクニカルジャージー
- 耐久性を高めたレザー
- 構造(格子、平織り)を可視化した織物
- 性能を重視した現代的な合成繊維
構造
- あえて見せるコントラストの効いたステッチ
- 露出したジッパーとスナップ
- ボタンやトグルなどの工業的な留め具
- リバーシブル構造
- 組成の一部として機能するポケット
- 平面的な構築方法
カラー
- 無彩色(黒・白・灰)に対する三原色(赤・青・黄)のカラーブロック
- グラデーションを排した強い対比
- 単色の色面
- 幾何学的で抽象的なテキスタイルパターン
フットウェア
- 幾何学的なバッグ(円柱、立方体、矩形)
- 建築的な襟のデザイン
- カラーブロックされた小物
ボディ・ロジック
バウハウスは、機能と動きのために身体を包む。すべてのポケットと留め具は実用的な目的を果たす。幾何学によって性別の境界は曖昧になる。あらゆる身体は、比率のみで調整された合理的な形状を纏う。フィット感は、外見の誇示よりも快適さと可動域を優先する。衣服が身体の曲線に従うのではない。身体が衣服の幾何学的な枠組みの中で機能する。
模範例
- イヴ・サンローランの「モンドリアン」コレクション1965ピエート・モンドリアンの格子状の絵画をウールジャージーの衣服に翻訳した。デ・ステイルはバウハウスとは別の運動だが、このコレクションはモダンな幾何学抽象がファッション化した象徴的な例となった。
- 三宅一生による幾何学的なプリーツ1980年代〜現在数学的な精度で設計されたプリーツ。建築的な造形を維持しながら、自由な動きを可能にする。1993年に始まった「Pleats Please」は、熱セットされたポリエステルにより、摩耗や洗濯に耐えうる幾何学的構造を維持している。
- マリメッコの大胆な幾何学プリント1960年代〜1970年代量産されたコットンに施されたフィンランドの幾何学抽象。マリメッコは、バウハウスに通じる大胆なカラーブロックと単純な図形を、民主的な価格の衣服や生活用品に応用した。
年表
- 1919-1933バウハウスがワイマール、デッサウ、ベルリンで活動。織物工房は、布地を工学的な課題として扱い、素材の新しい価値を確立した。
- 1933-1945ナチスにより閉鎖。教員たちはアメリカへ渡り、モダニズムの思想をデザイン教育の現場に定着させた。
- 1950s-1960sミッドセンチュリー・モダンを通じてバウハウスの理念が一般文化へ浸透。1965年のサンローランによるモンドリアンドレスがカラーブロックを普及させた。
- 1970s-1980s日本のアヴァンギャルド・デザイナーたちが幾何学的な構造を導入。三宅一生や川久保玲が独自の文脈で素材の実験と構造化を試みた。
- 1990s-2000sミニマリズムの台頭により、バウハウス的な抑制が再評価された。簡潔なカッティングと三原色の配色が、世界中のコレクションに再び現れた。
- 2010s-present2019年のバウハウス創設100周年を機に、世界各地で展覧会やコラボレーションが開催された。機能的なハードウェアや幾何学的な視覚言語への関心が再燃している。
ブランド
- Marimekko
- Issey Miyake
- Building Block
- Dion Lee
- Mansur Gavriel
- Rachel Comey
- Lemaire
- Eckhaus Latta
- Rodebjer
- Tibi
- Kenzo
参照
- Bauhaus-Kooperation Berlin Dessau Weimar. “Weaving (The Bauhaus).”
- Droste, Magdalena. Bauhaus, 1919–1933. Taschen, 2002 (and later editions).
- Albers, Anni. On Weaving. Wesleyan University Press, 1965 (revised editions).
